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認証

  • この記事を参考に認証について整理します。

ビルトイン認証フロー

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Keycloak の認証フローは、ユーザーがどのように認証されるかを定義するプロセスです。認証フローには複数のステップがあり、それぞれのステップでユーザーに対する認証方法や条件が決定されます。認証フローはカスタマイズ可能で、アプリケーションのニーズに合わせた柔軟な認証を実現できます。

Keycloak にはデフォルトでいくつかのビルトイン認証フローが含まれています。

  • Browser flow

    • ブラウザベースの認証フローで、ユーザーがブラウザを使用して認証する際に使用されます。このフローでは、ユーザー名とパスワードの入力、2 要素認証、利用規約の同意など、様々な認証手段が統合されています。一般的な Web アプリケーションのログインに使われます。
  • Client authentication flow

    • クライアント(アプリケーション)が Keycloak サーバーに対して認証する際に使用されるフローです。これはクライアントシークレットやクライアント証明書を使って、クライアント自身の認証を行うためのもので、OAuth 2.0 のクライアント認証に対応しています。
  • Direct grant flow

    • リソースオーナーのパスワード認証フロー(Resource Owner Password Credentials Grant)を用いる場合に使用されます。ユーザーが直接ユーザー名とパスワードを提供し、トークンを取得するためのフローです。ブラウザを介さないバックエンドのシステムやシンプルなスクリプトからの認証に利用されます。
  • Docker authentication flow

    • Docker クライアントが Keycloak を ID プロバイダーとして認証するために使用するフローです。このフローを使用することで、Docker CLI を使ってプライベートな Docker レジストリにアクセスする際に Keycloak の認証を利用できます。
  • First broker login flow

    • 外部のアイデンティティプロバイダー(例えば Google や Facebook)からの認証を初めて行った場合に使用されるフローです。このフローでは、外部アカウントがまだ Keycloak のユーザーアカウントにリンクされていない場合に、ユーザーに必要なアクション(アカウントのリンクや追加情報の入力など)を要求します。
  • Registration flow

    • 新規ユーザー登録のためのフローです。ユーザーが Keycloak に対して新しいアカウントを作成する際に、このフローが使用され、ユーザー名、パスワード、メールアドレスなどの入力を受け付けます。必要に応じて追加の検証(例えば、メール確認や CAPTCHA など)を含むこともできます。
  • Reset credentials flow

    • ユーザーがパスワードなどの資格情報を忘れた場合に、それをリセットするためのフローです。ユーザーはメールによるリンクやセキュリティの質問などを使って、新しい資格情報を設定することができます。

認証フロー設定

例えば、ビルトイン認証フローである「Browser flow」は以下のようになっています。

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フローの各ステップは以下のようになっています。

認証タイプネスト 1ネスト 2認証内容概要
Cookie--認証クッキー認証認証クッキー内容が有効であることをチェックします。
Kerberos--Kerberos 認証Kerberos Distribution Center(KDC)で認証されたユーザかどうかチェックします。
Identity Provider Redirector--外部 IDP 認証外部の IDP や SNS など第3者認証情報を利用して、SAML や OpenID Connect による認証を行います。
Forms--フォーム認証フォーム入力による認証が使用されます。内容はネストされた認証タイプに依存します。
->Username Password Form-(右記)フォーム入力された ID とパスワードをチェックします。
->Browser - Conditional OTP-(右記)ユーザが設定された OTP クレデンシャルを持っているかチェックします。
->->Condition -user configured(右記)Keycloak がユーザに対してフロー内の他のエグゼキューションを設定しているかチェックします。
->->OTP Form(右記)フォーム入力されたワンタイムパスワードをチェックします。

実行後の動作を決定する「必要条件」が設定可能です。

Requirement意味概要実行後の結果
Alternative代替選択された「認証タイプ」が次以降の「認証タイプ」の代替をします。成功すると、次の「認証タイプ」に進むことなく、認証成功となります。失敗すると、次の「認証タイプ」に進みます。
Required必須選択された「認証タイプ」の成功が必要になります。成功すると、次の「認証タイプ」に進みます。失敗すると、次の「認証タイプ」に進むことなく、認証失敗となります。
Conditional条件付き選択された「認証タイプ」はユーザ設定とその条件の可否により実行されます。このタイプはサブフローがある場合のみ設定され、Conditional のサブフローの評価の結果によって、Required か Disabled として動作するかが決まります。(※)
Disabled無効選択された「認証タイプ」が無効になります。実行されません。

以上より、「Browser flow」を図示すると以下のようになります。

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設定例: WebAuthn

以下のドキュメントを参照し、WebAuthn に関する設定を行なっていきます。

https://www.keycloak.org/docs/latest/server_admin/#webauthn_server_administration_guide

こちらも参考になります

Configure > Authenticationは以下の通り

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  • Cookie はひとまず無効
  • Kerberos は利用しないので無効
  • 外部 ID も利用しないので無効
  • Forms は利用する
    • Username Form は必須
    • WebAuthnPasswordless Authenticator も必須

ユーザ自身に登録を行わせたいため、User registration を On にしておきます。

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また、ユーザー登録時に認証器の設定も行わせたいため Webauthn Register Passwordless を default action に設定します。

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